――第十四章――

息を切らしながら蓮弥は皆のところへ駆け寄った。今にも、倒れそうなほど疲れている。
「大変って、おにいちゃんどうかしたの?」
ライラックがそう聞く間に、ルエは蓮弥の隣に行って大丈夫かどうか確認していた。
「それが・・・カフェ・・・さんが・・・」
ゼー、ハー荒い呼吸混じりにそういう。
「カフェ・・・さん?って、あのいかにも出来ます!って感じのあの人・・・だよね??」
ライフィルが確認した。前に会っていて、きちんと顔を見てはいるが、別れてもう幾日も経つ。自信はあるが、とりあえず確認をしてみる。
「ああ、そう・・・」
そこまで言うと、蓮弥は深呼吸をした。落ちつくために。
息を整えてからゆっくりと話し始めた。
「カフェさんが、行方不明なんだ・・・!!」
「えっ!?ど、どうして!?」

「どうやら、手をつけてはいけないものに手を出したようね」

コツコツとハイヒールの音を立てながら女性が言う。
それは、蓮弥が会った女性、コーフィ。
「誰ですか、この人・・・?」
皆が思った疑問を、代表するように月夜が聞いた。その声は呟きにも思える小さい声だったが。
「私はコーフィ・イージンよ」
くいっと赤い眼鏡を上げた。
「それで・・・カフェさんが手をつけてはいけないものに手を出したって・・・?」
ライラックが詳しい意見を求めた。
「何があったか詳しいことは知らないけど・・・あの自信過剰女(カフェ)は今最も危険な事件の情報に手を出したのようね」
「・・・自信、過剰・・・女?」
コーフィの話の自信過剰女は話上カフェだとわかるが、何故そういう言い方をするのか、疑問を持った。のは一部。
「会ったことあるんでしょう?関わった瞬間、ああ、この女は自信過剰女ねってわかるような態度だったでしょ!?」
どうやらコーフィにとって、カフェの態度はそういう風に感じるらしい。
ここぞとばかりに言いたい放題だ。
「ふう、まあいいわ。お馬鹿さんだから、手を出しちゃってね・・・今最も危険な・・・あの事件の情報に・・・」
「さっきから最も危険な事件っていってるけど、いったいなんの情報なんだ?」
ソックが横から疑問を言う。
「今流行りの、魔術師誘拐事件よ!で、その中でも情報を手に入れると最も危険な・・・暴力団が関係してる魔術師誘拐事件・・・」

その情報に手を出したカフェは、その情報を漏らされないために誘拐された。

という情報がこの街の裏情報で出回っている。

「別に私としてはあの自信過剰愚か馬鹿女がどうなろうとしったこっちゃないけどね」
ふうーと息を吐いた。興奮して疲れたこの体を楽にするため。
「貴方たちが自信過剰大馬鹿女を助けに行くって言うなら、情報を出してあげてもいいわよ?」
横の髪の毛を後ろにはらいながらいった。
「手を出したら危険なんじゃ・・・?」
蓮弥がふと疑問に思い、口にした。
「そのことなら問題ないわ。なんとかあの自信(以下略)女が常に持ってるパーソナルコンピュータの周波を私のパーソナルコンピュータが確認できれば、ある程度まで位置が掴めるはずよ」
そういうと片手でパーソナルコンピュータを抱え、もう一方の手で周波を感知するためのデータを呼び出し始めた。
機械音がカチャカチャとキーボードを打つと共に聞こえる。それは物凄い速さで展開されている。
最後の(こちらで言うならば)エンターキーをカチャと打つと、機械音はさらに増し、そして今まで以上の早さで聞こえ始めた。
しばらく、その音が響きながら時間がすぎていった。
「よし、出来たわ」
パーソナルコンピュータの画面が眼鏡に打つっている。その眼鏡から見る画面は全く意味のわからないものだった。
くるっと一同の方へ画面を向けた。
その画面には数字が沢山並んでいた。画面いっぱいに。
「あのー・・・なんですか、それ???」
画面を指差し、月夜が聞いた。
「・・・ああ、そうそう、あなたたちはわからないのね」
ため息をついたように見えた。くるっと自分の方に画面を向け、またカチャカチャとキーボードを打ち始めた。そしてまた、最後にエンターキーを押す。
「これで、貴方達でもわかるわね」
くるっと再度向けられた画面には、どこかの地図と大きな丸があった。
「ここからしばらく西へ行った場所の地図、だな?」
「ええそうよ」
ソックが確認すると、コーフィは簡単に答えた。
ソックはしばらく一人旅をしていた為、だいたいの地形を頭に入れてあるのだろう。
「場所をメモしないとな」
そういって後ろに背負っているリュックから地図を出した。
地図は何冊もあった。地域別の細かい地図なのだろう。
ささっと地図を見て、この周辺の地図を選び出した。あとのものはリュックへとしまった。
リュックへいれ終わると手にした地図を広げ、地面へと置いた。
「この辺・・・ね」
コーフィは指で地図に丸を書いた。
それをなぞる様にソックがペンで丸を書く。
「じゃあ、そこに出発だ!」
蓮弥が皆に向かっていった。皆はそれに態度で答えた。

すぐに宿へと不必要な荷物を預け、闘いの準備を始める。



=back= / =top= / =next=






SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送